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畑だより
茎ワサビの出荷

出荷を終えて~持続可能な農業モデルを目指す

バンカーズの挑戦

 堀上げ後、茎だけの状態に調製されたワサビは、最後に洗浄され、販売先に出荷される。その後、工場で再度洗浄、殺菌、切断等の加工が行われ、練りワサビ等の原料になる。

 初年度の収穫では、ハウス毎の生育のバラつきがあった。全11棟のハウス毎に、広さや日照条件、定植時期が異なっていることに加え、あらゆる栽培方法を試すために、使用する肥料や面積あたりの定植本数、畝の高さも各々変えているからだ。当初掲げた目標収穫量には及ばない可能性があるものの、あらゆる栽培方法の実証という点では、一定の成果があった。

 さらに、これまで私たちは、毎日の気温推移や日々の作業内容とその所要時間等、栽培に関わるあらゆる記録を数値データ化してきた。来シーズンは、これらのデータを組み合わせ、最適な栽培方法を追究していくと同時に、データの精度を高め、作物の成長との相関を検証していく。

 中山間地域における農業では、大部分が未だ人間の経験や勘に依存している。産地の復活、担い手の確保のためには、これらの目に見えない財産を残していくことが重要だ。私たちは、これまで暗黙知として伝承されてきた高度な手法を、あらゆるツールを駆使して、可能な限り見える化していきたい。そして、私たちの持つネットワークを生かして地域と様々な事業者をつなげ、生産性の高い、持続可能な農業モデルの実現を目指す。