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大雪の中で

　向峠に移住して半年が過ぎ、いよいよ初めての冬を迎えた。年末にかけて大寒波襲来と聞き、ビニールハウスが雪で潰れないよう、慌てて内部に支柱を立て、補強した。豪雪地帯ならではの対策であり、地域の方々のアドバイスがなければ、降り積もった雪の重みでハウスが崩壊していた可能性もある。

　かくして年末の大寒波を無事乗り切ったものの、１月初旬にまたしても大雪に見舞われた。今シーズン一番の降雪量となり、平地でも約７０㎝の積雪を記録。隣接するハウス同士の間に積もった雪が大人の背丈程の高さになり、これ以上積もれば崩壊の危険性があるため、生まれて初めての雪かきを行った。地球温暖化の影響もあり、ここ向峠も近年は降雪量が少なくなってきているらしい。地元の方曰く、今シーズンは数年ぶりの大雪だったようだ。

　向峠で過ごす、初めての冬。大雪の洗礼を受けながらも歯を食いしばりながら奮闘する私たち。この後、水道管の凍結により、事務所も住居も水が出ない日が数日続き、雪国の本当の過酷さを学ぶのだった。